7月24日(水) 長門市役所にて第8回長門湯本温泉観光まちづくり推進会議が開催されました。
推進会議は、長門市が湯本温泉街の再生を目的に策定した「長門湯本温泉観光まちづくり計画」に関し、下部組織である長門湯本温泉観光まちづくりデザイン会議から提案される内容について、様々な観点から意見を述べ、審議する大切な意思決定機関です。
第8回目の開催となる今回も、複数のメディア関係者が傍聴するなど注目が高まる中、同推進会議の委員9人が出席し、様々な議題について報告や議論が重ねられました。
委員長あいさつ
まず冒頭に委員長である大西市長から、開会の挨拶が行われました。
〜大西委員長 発言要旨〜
報告・審議事項
(1)恩湯等施設整備・運営事業の進捗状況について(報告)
続いて、恩湯等施設整備・運営事業の進捗状況について、大谷デザイン会議委員(長門湯守株式会社 共同代表)より報告がありました。
〜大谷デザイン会議委員 報告抜粋〜
恩湯建設について、岩盤による工事のスケジュールが変更した。12月末の完成を目標に引き続き進めていく。また、恩湯の混雑状況がネット上でもわかるように、IT技術の導入を予定している。
〜大西委員長 発言要旨〜
岩盤による工事の変更があることは理解したが、恩湯再建への市民の期待は大きい。様々な場所で楽しみにしているという声を聞いている。できる限り、宣言は守りながら進めていただきたい。
〜石井代理(星野リゾート)発言要旨〜
IT技術導入し混雑情報を提供するのはとても良いと思う。また、空いている時間にも入ってもらえるように、空いた時間帯にお風呂に入るコース・楽しみ方を提案している施設もある。参考にしてみてはどうか。 長門湯本温泉観光まちづくり 整備スケジュールについて(報告)
続いて、長門市経済観光部の田村理事より公共工事の状況について説明がありました。
〜田村理事 報告抜粋〜
公共工事について、順調に進んでいる。恩湯前の道路は今年度10月末を目標に、左岸道路・大寧寺線については2月末を目標に工事を進めている。また、駐車場の指定管理者が長門湯守株式会社に決定した。 (2)公共空間の設計・整備の進捗状況について(報告)
次に、インフラおよび外部空間のデザインを担当されている金光デザイン会議委員(有限会社カネミツヒロシセッケイシツ) より、公共空間設計・整備の進捗状況について説明がありました。
①公共工事の状況報告について
②ランドスケープの変更点および各所の名称について
引き続き、金光デザイン会議委員より、ランドスケープの変更点および各所の名称について説明がありました。
〜金光デザイン会議委員 報告抜粋〜
現在、完成型を目指して工事を進めている。雁木広場は完成し、予定通り工事が進みつつある。ランドスケープのデザインについてはオリジナルフォントで作り変えた。また、通りや橋の名称を決定した。「ゆずきち坂」「みはらし座」など。ご意見を受けて決めていきたい。
〜坂倉委員(萩焼) 発言要旨〜
名称について、昔から伝わる名前も残したいという思いから、年配の方々にもリサーチしてもらった。その内容を参考にしていただき、この名称が出来た。日本らしく、音の響きもよく、新しさもあるのでとても良いと思う。
〜岩田委員(大寧寺) 発言要旨〜
全体的に歴史も尊重され、新しさもあり、良いと思う。一ノ瀬・二ノ瀬・三ノ瀬の3つの地区は、つながりがあるものなので、その名前が名称に入っているのは素晴らしい。大賛成。
〜木村委員(経済産業省) 発言要旨〜
新しく、歴史も感じるので良いと思う。既にある橋の名称だが、歴史と関係なくつけられているものもあるので、これを機に一度検討してみても良いのではないか。
以上のようなやりとりを経て、推進会議でのランドスケープの変更点および各所の名称についての方針案が承認されました。
(3)道路社会実験の実施方針および実施概要について(協議)
続いて、長門湯本オソト活用協議会の伊藤就一氏(長門湯守株式会社 共同代表)から河川空間等の活用方針について説明がありました。
〜荒川委員(湯本まちづくり協議会) 発言要旨〜
「歩ける温泉街」として、そぞろ歩きのできる街を作ろうと今までワークショップで説明してきた。道路狭窄部設置について、来年4月から設置することで住民たちの合意を得ることができた。
以上の内容を経て、推進会議での道路社会実験の実施方針および実施概要についての方針案が承認されました。
(4)エリアマネジメントの方針について(協議)
次に長門市経済観光部の田村理事より、エリアマネジメントの方針について説明がありました。
〜大西委員長 発言要旨〜
体制設備必要とはしてきたが、財源もどうするのかという課題があった。湯本温泉旅館協同組合だけでなく、他の旅館も含めて要望書を出したことは頼もしく、嬉しく思っている。これを今後につなげていきたい。
〜泉デザイン会議委員(有限会社ハートビートプラン)発言要旨〜
伊藤理事長他みなさんが、再投資してエリアマネジメントにつなげるという要望書が出たことに敬意を表したい。これはまちの価値をあげることに繋がる。良い循環を作るための貴重な第一歩となると思う。
〜伊藤委員(湯本温泉旅館協同組合) 発言要旨〜
まちづくりのエリアマネジメントを中長期的にしようと思うと体制・財源の確保をする仕組みが必要だと感じた。ハードルは高かったが、お客様の満足度を上げるためのかさ上げが必要なので、組合員、非組合員ともに合意形成に至った。
〜大谷委員(一般社団法人長門市観光コンベンション協会)発言要旨〜
これからは持続させていくことが重要。環境が整ってきたので、エリアマネジメントをどうしていくのかについて考えたい。今後どういう会員組織にすべきかを、専門家にお知恵を借りつつ進めていきたい。
以上のようなやりとりを経て、観光まちづくりによる再整備による直接の受益を観光客が得られ、他に比べ奢侈性が高いエリアとなることから、長門湯本温泉のみを対象とした入湯税の引き上げを検討する方針案が承認されました。
全ての報告・提案・進言を受け、大西市長から以下のような総括により、第8回推進会議は締めくくられました。
〜大西委員長 発言要旨〜
まず公共空間の活用・名称が合意したものとして進めていく。公共工事も順調に進捗している。ハードの整備は終わるが、今後はソフトもいかに充実させていくかに注力するべき。旅館の経営陣から素晴らしい提案もいただけた。これが実現したら、温泉地のモデルになるのではないか。財源も含め、持続化していくことに尽力していきたい。
以上、各分野のエキスパートからの細密な報告と、地域の代表者の方々を交えた議論で、あっという間の2時間でした。いよいよハードは完成に近づき、長門湯本温泉街の新たな全貌を見ることができます。地域・事業者・専門家・行政が力を合わせて作る「歩ける温泉街」。温泉街トップ10入りに向けて、着実に取組が進められて行くことを期待しています。
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