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長門湯本report:第3回 長門湯本温泉みらい振興評価委員会が行われました

 

2021年6月4日(金)、長門市役所4階 会議室及びオンラインにて、第3回目となる「長門湯本温泉みらい振興評価委員会」が開催されました。

これは、外部の専門家等が長門湯本温泉の観光まちづくりを検証し、その知見をまちの未来に生かすために、長門市長門湯本温泉みらい振興基金条例に基づき、年に2回開催されるものです。


第3回目となる今回も、感染症対策を徹底した長門市役所の会議室とオンライン会議システムを通じ、行政、民間事業者、外部評価委員の皆さんが集まって、重要な振り返りと未来に向けての議論が行われました。

※この会議は原則公開となっており、会議の模様は下記のyoutubeでも公開されています。

全編(約2時間20分)

市長あいさつ

まず冒頭に、江原達也 長門市長より開会の挨拶が行われました。
〜市長 発言要旨〜

長門湯本温泉ではハード整備の完了から約一年が経過した。この間、コロナ禍という想像もしなかった事態で全国的にも観光業が厳しい状況となっている。しかし、長門湯本温泉街では地域の事業者が連携し、オンライン教室の開催や新型コロナウィルス感染予防対策の徹底などお客様が安心して滞在できる取り組みを重ねた結果、5月の連休中には多くの方が温泉街を訪れた。今後も長門湯本温泉観光まちづくり計画に基づき、公民連携による持続的な観光地経営を進めることが重要。委員の皆さんには、専門的な知見をもとに様々な観点からの評価をお願いしたい。

各委員紹介

各委員及び参加者は次の通り。

長門湯本温泉みらい振興評価委員会
氏名 分野
國學院大学 梅川 智也 学識経験者
株式会社ディスカバージャパン 高橋 俊宏 メディア
熊本大学大学院 田中 智之 建築・空間デザイン
株式会社WAKU WAKUやまのうち 中尾 大介 まちづくり・金融
旅ジャーナリスト 野方 成子 ジャーナリスト
株式会社ロフトワーク 林 千晶 コミュニティデザイン
星野リゾート 星野 佳路 観光業
民事業者
長門湯本温泉まち株式会社 代表取締役 伊藤 就一
長門湯本温泉まち株式会社 エリアマネージャー 木村 隼斗
長門湯守株式会社 共同代表 大谷 和弘
事務局
長門市長 江原達也
経済観光部 田村 富昭
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審議・検討事項
長門市の令和2年度の取組結果について

続いて、長門市経済観光部 田村富昭理事から、長門湯本温泉観光まちづくりにおける長門市の令和2年度の取り組み状況として、長門湯本温泉みらい振興基金や景観インフラの修繕、植栽の維持管理や足湯の改修検討、景観修景、観光プロモーションの取組みなどが報告されました。

長門湯本温泉まち株式会社の令和2年度の取組結果について

続いて、長門湯本温泉まち株式会社 木村隼斗エリアマネージャーより、2020年度観光地経営モニタリング項目に基き、RevPARや新規投資、メディア露出など様々な取組みついての詳細な報告がありました。

次に、長門湯本温泉のコア事業とされる立ち寄り湯 恩湯について、運営事業者である長門湯守株式会社 大谷和弘共同代表より、報告がありました。

〜大谷代表 発言要旨〜

去年の3月にオープンしてから、すぐにコロナの影響もあり、営業的には大変厳しい状況が続いている。経営面からは休業補償などを活用することも検討したが、恩湯は単なる公衆浴場ではなく、公衆衛生という地域の大事な機能を果たすことを重要な役割とし、営業を続けてきた。スタッフの理解もあり、この1年間を無事に営業できたことは、大変誇りに思っている。まち会社を中心に、温泉街全体が連携して感染防止対策を取れたことは大きなノウハウとして蓄積された。営業面は大変厳しかったが、地域の金融機関である山口銀行が最大限の理解とバックアップをしてくれたことも大変大きかった。

多数のメディアが恩湯の特徴に非常に興味を持ち、これまでにない注目を浴びつつある一方で、より恩湯の良さを理解してもらうために、歴史、泉質、希少性などを伝えるしおりや掲示物の制作を進めている。これから回復期に向けて万全の体制で臨みたい。

令和2年度の観光地経営に関する評価について

続いて、各委員からまち会社、長門市、温泉街全体の取組み状況に対する評価と説明が行われました。各委員の評価は次の通り。

高橋委員

〜高橋委員 発言要旨〜

Discover Japanでは魅力の「再発見」を常に意識しており、今回も山口の普遍的な魅力を現代的に届けることができたと思っている。本が発売になって2ヶ月だが、販売面も非常に好調で、色々な書店で評判が良い。Amazonのトラベルジャンル販売でもランキングの上位に入ることができた。WEB展開も福岡や広島など近県をターゲットとし、非常に良い結果を得ている。今後は他言語化などで、インバウンド等にもうまく活用していただければと思う。

田中委員

〜田中委員 発言要旨〜

まち会社の取り組みについては、モニタリング、RevPAR、メディア露出など総合的に素晴らしいと感じる。一方で、広報についてはインバウンド代用も含め、どのようなエリアイメージを形成するのか、必要に応じて専門家に相談しつつコンセプトや戦略をきちんと作って進めるべき。地元や従業員満足度などのモニタリングにも力を入れ、地域の人々の意識向上への働きかけを図るべき。

行政の取り組みについては、川床などのハード整備、うたあかり、シネマキャラバンなど空間特性を活かした取り組みが素晴らしい。エリア全体としてどう修景していくかが継続的な課題であり、小さな修景を積み重ねていけるような取り組みが加速度的に進むようにすることが重要。

のかた委員

〜のかた委員 発言要旨〜

まち会社の取り組みについては、コロナ禍の中でも、新しいイベントやメディア展開でインパクトある結果を残している。一方で、旅館の顔が見えないことを勿体無く感じる面もあり、ながトークなどで各宿を舞台にするなど、色々な連携を検討してはどうか。恩湯については、全国的に外湯は厳しい状況にあるので、全ての宿泊者が恩湯を利用する仕組みを検討してはどうか。行政については、市長や職員の情報発信にも期待したい。

中尾委員

〜中尾委員 発言要旨〜

まち会社と行政・地域・専門家が一丸となって進めている取り組みは、チームビルディングの強みを活かし、コロナの影響を差し引いても、非常に頑張っていると感じる。今後は、行政で組織や体制が変わってもスタート時のマインドや取り組みが維持できる仕組みが重要。温泉街の滞在を通じて、温泉街を牽引する宿が整っている一方で、将来的には温泉を持たない宿や気楽に休める滞在場所などの選択肢を増やすことも重要と感じた。

林委員

〜林委員 発言要旨〜

世界的なコロナ禍の影響の中で、本当によく頑張っている。景観条例に沿った形での新規投資が継続している点は、複数年続けた時のインパクトが大きく、高く評価したい。一方で、比較的中長距離からのアプローチに対して、新山口駅や宇部空港からの道のりの魅力開発も検討課題。萩焼の窯元やセンザキッチンなど魅力的な点を結ぶ面的な観光プランを検討して欲しい。広域からくる人への魅力発信として、webサイトのユーザビリティやインバウンド対応を強化すべき。

星野委員

〜星野委員 発言要旨〜

それぞれKPIについて進め、着実な進歩が見られる。情報発信は地域内のチームワークバランスを考慮しつつ進める必要があり、まずはエリアの魅力発信を広く行うことが優先。ランキングについては、原因の分析が必要である一方で、ランキング自体のために何かをやることには賛成しない。もう一度6つの要素やオソト天国のコンセプトに沿って、温泉街の魅力が強化されているかを考えることが大切。

今後は、コンセプトを理解しないフリーライダーへの対策が非常に重要となる。他の観光地でも同じ問題で苦しんでいる。外部の新規事業者を歓迎しつつ、コンセプトに沿った事業を行ってもらうための仕組みが必要。


世界基準で考えれば温泉旅館以外の宿泊施設・民泊は避けられない。インバウンドや長期滞在を呼び込み、宿泊事業者やその他の事業者にもプラスになる。交通利便性の悪い地方こそがitテクノロジー、シェアリングエコノミーを積極的に活用すべき。

最後に、このような会議において市長が積極的に参加している姿勢もとても大切。今後もぜひお願いしたい。

梅川委員長

〜梅川委員長 発言要旨〜

GOTOの影響もありデータ的にはイレギュラーではあったが、コロナ対応を温泉街全体で取り組んだ点を高く評価する。昨年度は観光庁の補助事業などがあったが、今後も安定的な運営をするためには、安定的な財務基盤を作れる体制が必要と感じる。基金の使い方・取り崩しルールなどについても、スピーディな意思決定を行うために仕組みが必要。

市の体制が変わっていく中で、観光政策課が中心となって関わっていくが、色々なところと横断的に連携するコーディネイト業務が入っていることが重要。

これらの評価と指摘を受けて、木村隼斗エリアマネージャーから
この一年はコロナ対応が多く大変だった反面、感染症対策や近隣への発信などやれること・やりやすい事もあった。一方で皆さんからご指摘いただいた部分は、やっていく必要があることとして、評価指標やオソト天国などのビジョンに立ち返り、これからしっかりと頑張っていきたい。
との発言がありました。

また、この日を最後に長門市役所での出向を終え、経済産業省に戻られる田村理事からは
この一年は、長門市全体としてもコロナ対応に多くを費やしたが、長門湯本温泉で観光まちづくりを行っていたことは大きな強みとなった。民間投資では、修景補助と伴って、フリーライダーを防ぐ仕組みを考えていくべき。このプロジェクトはセクションを越えて横断的に皆が動けたのも大きな特徴なので、今後もこの取り組みを続けてほしい。
と期待の言葉がありました。

最後に江原市長からも
皆さんの貴重な意見をぜひ今後に活かしたい。長門市としてもインバウンド対策として、すでに地元TVから台湾への情報発信の動きを進めているところ。また、ディスカバー・ジャパンTRAVEL 山口の部分的な英訳・発信も是非進めていきたいと思っている。今年度から、長門市には民間企業としてJTB、日立システムズ、JALから優秀な人材も出向していただいている。今後は、長門湯本温泉の観光まちづくりともしっかりと関係構築を図っていきたい。
と長門湯本温泉の観光まちづくりを引き続き推進していく旨が語られ、2時間以上に及ぶ会議は終了しました。

この会議は今後も、持続可能な観光まちづくりを図るために、年に2回ほど開催する予定です。

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