そんな中でも、あたたかな空間をつくって、夜の温泉街のそぞろ歩きを楽しんでもらえないだろうか?そう考えたとき、長門市仙崎で生まれ育った童謡詩人、金子みすゞさんの詩が浮かびました。
ひとつのことを見て、多くのことを想ったみすゞさん。
日常を愛おしみ、優しい言葉で綴ったみすゞさんなら、冬の音信川を寂しいと嘆くのではなく、この季節にしか感じることのできない澄み切った空気を、ふわりとあたたかい言葉にかえてくれたかもしれません。
冬の音信川の静かなあかりのイベント。混みあってしょうがない、なんてことはありません。それでも一組また一組と、お子さんを連れたご家族や友人たちが集まってきました。
身体を温めながら、お腹を満たすならこれ。
長門湯本で長年お店を営んでいらっしゃる「とらや」さんの屋台でいただける、たっぷりきのこやお野菜のあんかけがかかった揚げおにぎりに、あたたかい豚汁。
「リトル湯本」さんのおでんは、湯本老人会のみなさまと旅館の若女将たちの共同出店。一緒にだいこんを掘って、地元の安くておいしい材料を集めて、ことこと煮込んだおでんのおいしいこと。
子どもも大人も楽しみにしているのは、もうお馴染みの長門市駅前「あいころりん」さんの長州鶏のココナッツカレー。ボリュームがあって熱々で、でも優しい。
おいしいお酒とくれば食べずにいられないのは、長門市で知らない人はいない焼き鳥の名店「ちくぜん」さん。じっくり炭火で焼き上げるジューシーな焼き鳥は長門市民のソウルフード。何本でも食べられてしまいます。
お酒もいいけれど、甘いものやコーヒーを片手にそぞろ歩きもおすすめです。
「A-side」さんの屋台でいただけたのは冷えた身体をあたためる甘いぜんざいと焼き芋。
まちづくりをきっかけに昨年9月にオープンした、足湯のそばのテイクアウトキッチン「A-side」さん。地元で長年愛されている荒川食品さんの倉庫をリノベーションして作ったコンパクトかつオープンな店内では、食べ歩きに嬉しいピタサンドなども販売しています。
そして今ではもう、まちづくりの拠点として長門湯本温泉街に欠かせない存在となった、まちのリノベーション1号であるカフェ「cafe&pottery音」さん。おいしいコーヒーとホットジンジャー、野菜たっぷりのミネストローネは、ファンも多い寛ぎの一杯です。
たった2日間しか開催しなかった今回のイベント。全部で100本ものワイヤーを使って浮かんでいた25個のモチーフは、取り付けるのも外すのも一日がかりの大仕事です。照明デザイナーの長町さんを筆頭に、学生さんや地元のみなさんが川に入りながらの作業で設置、撤収が行われました。
そんな頼もしいみなさんによる、準備や片づけの様子は、また別のレポートでご紹介したいと思います!
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