今、私たちに出来ること
2020年4月
長門湯本温泉まち株式会社
長門湯本温泉街は、温泉旅館、地域商店や生産・流通を担う事業者、そしてその従業者が、地域社会・生活者とともに、観光産業を営むまちです。
観光産業は、豊かな旅を通じて日常に彩りを加えることはもちろん、人々の往来、地域の歴史や文化との出会い、そして暮らしを営む人々とのふれあいを生み出します。旅を通じ、たくさんの方々が、社会が本来有する「人・地域の多様性」への新たな出会いと深い理解を醸成する、その一助となることが、私たちの社会的役割だと信じています。
現在、新型コロナウィルスの影響により、私たち温泉街も含め、社会全体が、様々な課題に向き合う時期を迎えています。
旅を含めた人々の往来は、国際的にも、国内においても、難しい局面を迎えており、温泉街への影響も深刻です。観光産業を中核とする地域としてはとても苦しい中ですが、社会全体が活動の自粛や休暇・休業も含めた対策を重ねることが求められる中、避けることのできないことだと思います。
しかし、長い目線で見れば、温泉街の持つ社会的役割は、決して失われるものではありません。社会全体が課題を乗り越えていく過程で、世界や地域と、新しいつながりやふれあいを紡ぎ直す時期が、必ず来ると確信しています。
私たち温泉街は、これまで丸4年間をかけ、温泉街全体のリノベーションを重ねてまいりました。立ち寄り湯の再建、新たな宿泊施設・商店、豊かな公共空間を彩るおとずれ川テラス、それを支えるランドスケープがようやく整ったところです。今はきっと、この大きなプロジェクトが、地域の社会や歴史、自然にしっかりと根を張るための期間なのだと捉えています。
国内外からお客様を迎え入れ、安心して時間を過ごしていただける時期が来た時に、私たち「長門湯本温泉まち」が、社会的役割をより一層果たせるよう、今、出来ることは、可能な準備をしっかりと積み重ねることです。社会が平穏を取り戻し、人々が自由に往来し、旅を通じ相互理解をさらに深める体験を共有出来る、その時を待ちながら、日々の取組を進めてまいります。