開催場所は、明治時代には水の都と呼ばれ、ここ数年はその魅力再発見の試みを多数実践している大阪府の大阪合同庁舎。会場の大会議室には、各地域の水辺の利用をまちづくりに活かそうと、関西を中心にたくさんの方々が参加されていました。
第一部 ミズベリングを知ろう、ミズベリングオリエンテーション
第二部 事例に学ぼう、ミズベケーススタディ
① 「美濃加茂地区かわまちづくり」
第二部は、実践事例から水辺で活動するためのノウハウを学ぶケーススタディ。全国各地の水辺から特に選ばれた三つの事例が紹介されました。
一つ目の事例は岐阜県美濃加茂市の「美濃加茂地区かわまちづくり」。おしゃれなデザインと多彩なアクティビティが市民の人気を集める「リバーポートパーク美濃加茂」を中心に、大塚雅之さん(美濃加茂市 建設水道部 土木建設係長)が、10年間携わってきた同事業について解説してくれました。
大塚さんからは、かわまちづくり事業の経緯や、人の流れを作りまちを活性化させるためのプランニング、運営管理の仕組みや事業スキームなど、計画の当初から関わってきたからこその豊富なノウハウが紹介されました。
② 「竹芝地区のまちづくり」
二つ目のケーススタディは、東京都竹芝地区のまちづくり。東京湾ウォーターフロントに位置する竹芝地区では2020年に「東京ポートシティ竹芝」や「ウォーターズ竹芝」などが開業し、街が大きく変わろうとしている経緯を、田中敦典さん(一般社団法人竹芝エリアマネジメント事務局長)、花倉伸治さん(JR東日本東京支社事業部 竹芝・芝浦プロジェクトリーダー)のお二人が解説されました。
江戸時代は海だった竹芝地区は、江戸時代以降の埋め立てが続き現在では東京の海の玄関と呼ばれているそうです。そのエリアで進む再開発計画では、地域の環境教育、自然体験の場としての利用や防災拠点としての活用などを通じて、地元への貢献を考慮されている点が印象的でした。
③「長門湯本みらいプロジェクト」
事例の最後を飾るのは、いよいよ長門湯本温泉の「長門湯本みらいプロジェクト」。お馴染みのニワトリキャップをかぶっての、松岡さんの登場です。プロジェクトの立ち上げから関わっている松岡さんは、「やきとりのまち」として知られる長門市の紹介から、温泉街の課題を解決する再生プランの成り立ち、核となる「川の魅力を活かす」ための施作について、詳しく語っていきます。
川の魅力を体験できる川床や飛び石などの整備、河川管理者との定期的な協議や数々の実証実験、管理運営主体であるオソト活用協議会のサポートまで、この3年間で地域の皆さんと進めてきた様々な取り組みを紹介する松岡さん。
将来を担う若手世代への積極的なアプローチや地域の人々と行政の意見交換など、リアルな触れ合いを通じてまちづくりの土台を地道に築いてきたことがわかります。限られた登壇時間の中ではわずかに触れられただけですが、川の魅力を活かす為には、周囲の共感と協力を得るべく数々の地道な活動の重要さが伺えます。
河川管理やまちづくりに関わる参加者には共通の課題も多いのか、松岡さんの説明を真剣に聞き入るみなさん。
締め括りに、現在公募中のエリアマネジメント法人について周知を行い、約40分の事例紹介は無事に終了しました。
大舞台での事例紹介を無事に終え、ホッと一安心の松岡さん。このような機会を通じて、全国各地のミズベリング仲間に長門湯本温泉が広く知られていき、繋がりを通じて新たな可能性も出てくることでしょう。松岡さん、本当にお疲れ様でした!