地域の皆さんを始め、複数のメディアが集まり、会場は満席。みなさんの関心の高さが伺えました。
2月14日、湯本観光ホテル西京にて、長門湯本温泉の新しい顔となる恩湯(公衆浴場)の建て替えに関する施設設備、運営事業について、応募事業者による事業提案の公開ヒアリングが行われました。
恩湯と言えば、長きにわたり地元の方々に愛されてきた長門湯本のシンボルとも言える公衆浴場。昨年5月には建て替えを前に、これまでの感謝を込めて、より良い未来へと進もうと、“thanks ONTO”と題したイベントが開かれ、多くの人で賑わい、惜しまれて一時休業へと入りました。
審査委員として、磯部長門市副市長や星野佳路さん(星野リゾート代表)、荒川武美さん(湯本まちづくり協議会会長)などが列席されていました。
今回、恩湯及び周辺の計画地を市から賃借し、恩湯や飲食店などの運営を行う事業者を民間に募集。
応募のあった1社による事業内容のプレゼンテーションと、審査委員による審査が行われるとあって、会場には緊張した空気が漂います。多くの地域住民の方々にも見守られ、発表が始まりました。
提案事業者として名乗りを上げた長門湯守の大谷和弘共同代表が聴衆に新しい恩湯のコンセプトなどを説明します。
プレゼンテーションを行うのは、長門湯守(ながとゆもり)共同代表の大谷和弘さん。大谷さんをはじめとする4名の共同事業という形で提案された事業内容は、なにより新しくなる温泉街を、まちに住んでいる住民の方々に楽しみ育んでもらいたいという想いが込められます。
そのためにも先祖から受け継がれてきた恩湯の神聖な歴史を、長門湯本温泉の独自性として強調していくこと。また、温泉、川、広場、飲食場をひとつながりの空間として設計、運営することで、調和のとれた居心地のいい空間を実現していきたいと意気込みを語られました。
長門市から提示された長門湯本温泉観光まちづくり計画に基づき、提出された事業提案は、全国温泉ランキング10位を目指しています。
30分間のプレゼンテーションの後は、審査委員による質疑応答です。
内田恭彦委員(山口大学経済学部教授)からは「事業の安定性」について、田中智之委員(熊本大学工学部建築学科准教授)からは「温泉施設の建築」について、それぞれ専門的な立場からの質問が寄せられます。
田中智之委員(熊本大学工学部建築学科准教授)からは恩湯の設計についての質問がありました。
大谷さんとともに長門湯守の共同代表を務める伊藤就一さんも質問に回答します。
大谷さん達は、源泉かけ流しの稀少な湯、また住吉神社がそびえたつ岩から湧き出る神聖な湯であるという価値に対し、必ずコアなファンがつくという考えのもと、力強く回答されているのが印象的でした。
ご自身の経験も踏まえてのアドバイスが印象的だった星野佳路委員(星野リゾート代表)
最後に星野佳路委員(星野リゾート代表)より「共同事業って難しいですよ。意見が合わないときはどうするの?」となかなかシビアな質問も。
共同代表の大谷さんと伊藤さんは苦笑いしながらも、「柔と剛のように、お互いが異なるタイプだから補える部分も大きい。これまで以上に議論を積み重ねて進んでいきたい。」と答えていらっしゃいました。
公開ヒアリングを経て、審査はいよいよ、午後の長門湯本観光まちづくり推進会議へと続きます。
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