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長門湯本report:第1回 長門湯本温泉みらい振興評価委員会が行われました

 2020年6月30日、長門市長門湯本温泉みらい振興基金条例に基づき、外部の専門家等が長門湯本温泉の観光まちづくりを検証し、その知見をまちの未来に生かすための会議「長門湯本温泉みらい振興評価委員会」が開催されました。

第一回目の開催となる今回は、長門市の行政や関係する民間事業者が市役所に、評価委員の皆さんはそれぞれの居住・勤務場所からのオンラインでの参加となりました。この会議は、原則公開となっており、長門市役所の会議室には感染防止対策を行いつつ、マスコミの皆さんも広く参加されていました。(会議の模様は、下記のyoutubeにて公開されています)

90秒抜粋版

全編(約2時間)

市長あいさつ

まず冒頭に、江原達也 長門市長より開会の挨拶が行われました。
〜市長 発言要旨〜

長門湯本温泉では、この3月にハード整備が完了し、「星野リゾート 界 長門」の開業、「立ち寄り湯 恩湯」の再建、地域による観光地経営の推進主体「長門湯本温泉まち株式会社」の設立などが続きましたが、世界的な新型コロナウィルス感染症の拡大により、深刻な影響を受けているところです。厳しい状況が続きますが、この週末にはたくさんの人たちが温泉街を訪れる様子も伺えました。これまでのまちづくりの成果を生かして、公民が連携し、温泉街の魅力を持続的に向上させるためにも、皆様の専門的な知見のもと、様々な観点からのご意見をお願いいたします。

各委員紹介

続いて、各委員および関係参加者の紹介が行われました。各委員及び参加者は次の通り。

長門湯本温泉みらい振興評価委員会
氏名 分野
國學院大学 梅川 智也 学識経験者
株式会社ディスカバージャパン 高橋 俊宏 メディア
熊本大学大学院 田中 智之 建築・空間デザイン
株式会社WAKU WAKUやまのうち 中尾 大介 まちづくり・金融
旅ジャーナリスト 野方 成子 ジャーナリスト
株式会社ロフトワーク 林 千晶 コミュニティデザイン
星野リゾート 星野 佳路 観光業
民事業者
長門湯本温泉まち株式会社 代表取締役 伊藤 就一
長門湯本温泉まち株式会社 エリアマネージャー 木村 隼斗
長門湯守株式会社 共同代表 大谷 和弘
有限会社ハートビートプラン 代表取締役 泉英明
長門市
経済観光部 田村 富昭

議長選出と検討事項等について

次に円滑な会議進行のために議長の決定が行われ、梅川委員が全会一致のもと議長に選出されました。同時に、長門市 田村富昭氏により、同評価委員会の検討事項及び観光地経営に関する公民での評価・合意の仕組みが説明されました。

今年度事業についての概要説明

本題である今年度事業の概要については、恩湯事業及びエリアマネジメント事業それぞれの事業者から説明が行われました。まずは、 長門湯本温泉まち株式会社の伊藤就一代表より、これまでの経緯についての振り返りが述べられました。

続いて、立ち寄り湯・恩湯の再建を担う長門湯守株式会社の大谷和弘共同代表より、恩湯のコンセプトや歴史についての説明、木村隼斗エリアマネージャーより、長門湯本温泉まち株式会社の設立意義や新型コロナウィルス感染症への対応を含めた現状の報告、中長期的な視点からの計画などが報告されました。

さらに、長門市産業戦略課 田村富昭氏から、長門湯本温泉における持続的な景観インフラ修繕計画案が説明され、観光地経営のモニタリング案については、デザイン会議司令塔である泉英明氏より、これまでの推進会議におけるモニタリング指標案の検討経緯も含めての詳細な説明がありました。

評価委員による議論

約一時間の概要説明ののち、梅川委員長の司会のもと各評価委員は、恩湯事業や景観インフラ、新型コロナウィルス
感染症の影響下での温泉地経営などに関して、活発な議論を交わしました。議論の内容は、YouTubeにて動画配信されていますので、ここでは印象に残った各委員のコメントを抜粋して掲載します。

〜星野委員 発言要旨〜

今日発表してもらった内容は、日本の観光産業史上の奇跡だと思っている。昭和のやり方でやっている観光地が多い中で、国内でも知名度のない長門湯本温泉がこれだけ近代的な観光のあり方を模索し始めたのは期待以上。

修繕を予算化している点、合意形成の難しい入湯税の値上げを実施できた点など評価できるが、修繕関係の期間をもう少し短くして改善のスピードを上げることは検討してはどうか。

また、コロナ期は収束しているわけではなく、第二波、第三波の影響を考えたときには、県をまたぐ移動自粛のあり方を改善すべきと思っている。マイクロツーリズム商圏をきちんと認識し、行政の働きかけも含めて、全国一律の県境の移動自粛を見直すなど、お互いの経済的なダメージを防ぐことを考えるべき。

また、もう一つの奇跡としてやれるかもしれない事として、「泊食分離を進め、連泊を高められる温泉街になる」、「リピートの確保」の2点をぜひ進めていきたい。

〜野方委員 発言要旨〜

温泉地の整備が整い、外遊びの楽しさ、夜間照明、朝の美しさや魅力を伝える情報発信を恩湯や各旅館が積極的に行うことが必要。この3年間の奇跡が間違いでなかったことを示すために、もっとお客様に来ていただくように、頑張って欲しい。
一方で、温泉街で働く従業員に勉強の機会ができたことは、温泉街にとってもプラスになるので、お客様満足度に繋がる部分も含めて、さらに発信を心がけてはどうか。

〜木村エリアマネージャー 発言要旨〜

現在、温泉街では「オソト天国」のコンセプトでPR動画を制作し、近々SNSを通じて広告展開も予定している。大谷山荘も、新しく屋外空間を楽しめるテラススペースの準備を進めている。このように、エリアと旅館単体が「オソト」を通じて、マッチした取り組みなど、今後も連携して進めていきたい。

〜高橋委員 発言要旨〜

メディアの立場から見ても、これだけ行政と地元と民間が連携して盛り上げようとしているところは珍しい。情報発信は、ただ発信すれば良いものではなく、どういう人に受け取ってもらうことが重要。長門湯本温泉の価値のわかる方々にしっかりとコンセプトの情報を届けるために、量より質を重視すべき。

地域の価値やブランドを作ろうとするときに、立ち戻るところは足元、足元=歴史。その点では、ストーリーやいわれを大切にした恩湯のコンセプトはとても良いと思う。

ディスカバージャパンも、長門市観光コンベンション協会からの戦略的情報発信事業の受託が決定し、来年の3月には長門のブランディングに寄与する出版物の発行を計画している。

〜田中委員 発言要旨〜

私も星野委員と同様に、プロポーザル時点から関わっており、最初の成り立ちからまちづくりを見守ってきた。景観や修繕の観点も含めて素晴らしい目標を掲げているが、現実としてエリアは商店や住宅などでまちが作られている。そこをどう巻き込んでいくのかがとても重要。主要な旅館だけでなく、エリアリノベーションとして全体として更新していくことをエリアマネジメント会社を中心に実行してほしい。

〜中尾委員 発言要旨〜

事業自体が継続していくことが重要。実際に商売をすることは泥臭い事でもある中で、関わる人々のモチベーションを支えるためのエリアマネジメント組織のサポートや伴走は不可欠だと実感している。そこで事業者が活気を保てれば、新規の投資などの流れができてくると考えている。前例のない長門湯本の取り組みが頑張る事で、全国の温泉地の励みになるのではないか。

〜林委員 発言要旨〜

長門に訪れる中で、「観光客と、その土地に暮らす住民の真ん中の層」を取り込むことが新しいポイントになると感じている。富裕層や団体客を獲得することは大切だが、「100万人が1回来る」よりも「10万人が10回くる」まちを目指す考え方も大切。長門湯本は「奇跡を起こそうとする」まちとして、古い指標にとらわれるべきではない。地元という言葉を活かしながら、暮らしを楽しむ新しい観光客を取っていくことに力を入れて欲しい。

〜梅川委員長 発言要旨〜

私も色々な温泉地に関わっているが、これだけ短期間に様々な動きができた温泉地はないと思う。若いみなさんの熱い思いが結集したのだろう。

景観インフラのメンテナンスについては、今年はコロナウィルスの影響により入湯税の減収が避けられないであろうが、長い目で見れば、長期的に計画通りに行っていくことが大切。

モニタリングとして6つの指標をとることは重要だが、最終的に目指すところは長門湯本温泉の永続的な発展であるので、個別の指標はあくまでチェック項目として、数値の話に囚われることなく、まちづくりを進めて欲しいと思う。

メディア、観光、建築、情報発信等、それぞれが各分野の第一人者として知られる評価委員メンバーが活発に議論する中、あっという間に一時間が過ぎ、会議は終了となりました。

豊な経験と専門的な知見からのアドバイスは、どれも簡単に実現できるものではありませんが、評価委員の皆さんがおっしゃる「長門湯本の奇跡」をより確かなものにしていくために、足元と未来の両方を見つめて、長門湯本の観光まちづくりは進んでいきます。

※会議の模様は全編YouTubeにて公開されています。聞く側の脳が活性化するようなクリエイティビティに満ちた議論をぜひご覧ください。

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