長門湯本みらいプロジェクト

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長門湯本report:広報ながと連動企画・まちづくりのキーパーソン紹介 vol.08「 デザイン会議メンバー 白石 慎一さん(株式会社ファンタス )」

長門市では、市民に配布される広報誌「広報ながと」にて、「Join! 長門湯本観光まちづくり〜みんなの力で湯ノベーション〜」と題し、公民一体となった様々な長門湯本のまちづくりの現状と、それに携わる人々を紹介しています。
それに合わせ、長門湯本みらいプロジェクトでも、まちづくりのプロフェッショナルや、地域と文化を支えてきた地元の方々のインタビューを幅広く掲載し、みなさんに長門湯本の今を感じてもらいたいと思います。

まちづくりのキーパーソンをご紹介する第八弾は、株式会社ファンタスの白石慎一さん。雑誌や広告など様々な種類のイラストやデザインを手がけてきた白石さん。今回は、白石さん自身がまちづくりに関わるまでの経緯や、きっかけとなった長門湯本の魅力をじっくりお聞きしました。

長門市内の事務所にて。お気に入りのガジェットや画集に囲まれて、のんびりアイデアを練るのが日課とのこと。

湯本みらい
白石さんはイギリス、東京を拠点にイラストレーターとして活動されていましたが、いつ、どんなことがきっかけで長門に帰っていらしたのでしょうか。
白石さん
本格的に戻ってきたのは、2013年です。きっかけは、ひとつは東日本大震災があります。やっぱり当時は、東京にいることに不安を抱きました。それから、実家の飲食業の通販の分野など、手伝っていることを一度戻ってきてきっちりしよう、と思ったこと。そこで長門に拠点を移してみることにしたんです。
湯本みらい
イラストレーター「シンボロン」として、ファッション誌「VOUGE」日本版へのイラストの描き下ろしを始め、雑誌、広告と様々なご活躍をされてきた白石さん。田舎で暮らすことに、抵抗はなかったですか?
白石さん
実は、最初は一時的なつもりでした。でもイラストだけではなく、ネット関係の仕事もするようになって、その中で様々な出会いに恵まれて、人との繋がりができてくると、自然と長門を出ようって気持ちはなくなってきました。

長門湯本温泉街観光まちづくり計画デザイン会議や長門湯本オソト活用協議会など、様々な議論に参加している。

湯本みらい
長門には、どんな想いを持っていましたか?
白石さん
正直言って、仕事では人との繋がりができた一方で、友人がほとんどいない寂しさ、つまらなさはありました。生まれてから中学校3年まで下関にいて、長門は祖父祖母の家があり、夏休みに遊びに来るところだったんです。家族で長門に引っ越してきて、僕が暮らしたのは高校の3年間だけ。それから戻って来るっていってもせいぜい1年に1回正月に戻って来るくらいで、ほとんど部外者というイメージでした。
湯本みらい
それが今では、長門湯本温泉街のまちづくりの中心人物になっていらっしゃいます。
白石さん
ほんと、いつの間にか!
湯本みらい
どんな経緯だったんですか?
白石さん
最初は、まちづくりに関する話をきく機会が何度かあって、へえ~って、興味はわいたんだけど、自分が何かやるなんて思ってもいなかった。チームの皆さんからのヒアリングを受けたときも、まちづくりのことなんて何もわからなかったので、偉そうに好き勝手言ってたと思います。

同じデザイン会議メンバーの長町委員の発案で、長門湯本提灯のロゴデザインも担当。長門湯本の夜間景観を彩る重要なモチーフに。

湯本みらい
湯本のチームに対する印象は?
白石さん
市役所の担当者も面白いこと言ってるなと思ったし、司令塔の泉さんを始め皆さん個性的で、問題を解決していく、アイディアを実行していくエネルギーに溢れていて、まちへの関わり方が前のめり。頭でも体でも汗をかいている人たちを目の当たりにしたら、もう仲間にならざるを得なかったです(笑)。
白石さん
気付いたら実行する側にまわっていたんですね。
白石さん
そうなんです。人に対する興味から始まって、自分の性格もどうせやるんなら手伝う、じゃなくて一緒にとことんやる、がいい。そうしてcafe&pottery 音への参加、thanks ONTOへの参加、が決まっていったんです。
湯本みらい
cafe&pottery 音の立ち上げでは解体、左官と自ら汗を流していらっしゃいました。
白石さん
仲間が旅館の仕事だったり萩焼の作陶だったり、それぞれの自分たちの大切な仕事の合間にやってきていますからね。カフェを作るなんてみんな専門外の仕事で手探りだったけど、これからの長門湯本の拠点になるような店、自分が通いたくなるような店を作りたい想いでがんばりました。

cafe&pottery音のリノベーションでは、デザイン会議メンバー木村大吾さんの指導のもと、全員参加でお店を作り上げた。

カフェの顔となるロゴマークや店内のテーブル、什器の選定など、新しいまちづくりのベンチマークとしてこだわった。

湯本みらい
現在は、まちづくりにおいてどのような役割をされているんですか?
白石さん
具体的な業務としては情報発信です。ウェブや印刷物を通して、まちづくりで起こっていること、長門湯本の魅力や古い歴史なども伝えていけたらと思っています。それから僕だけの仕事ではないですが、湯本に関わるビジュアルイメージの統一、デザインコントロールっていうんでしょうか。それも任せてもらっています。
湯本みらい
例えばどのようなことですか?
白石さん
イベントのチラシでも、ウェブの記事でもそうですが、人に伝えたくなる、保存したくなるような質であることが大切だと思っています。捨てられることなく蓄積されていくことで、人の記憶に残ることによって、まちの全体のイメージは作られていきますから。

白石さんが手がけた長門湯本に関わるチラシやパンフレットなど。イベント終了後も保管されるようなデザインを目指しているとのこと。

まちづくりの今を伝える「長門湯本みらいプロジェクト」のHP。ビジュアルを重視し、写真がふんだんに使われているのが特徴。

湯本みらい
去年の「おとずれリバーフェスタ」でもチラシをとっていてくれていたり、覚えていてくれる方、多いですもんね!
白石さん
嬉しいですね。小さな積み重ねですけど、発信するものの質を大切にしていきたいです。
湯本みらい
湯本に限らず、まちが発信するちょっとしたものにもデザイン性があると、ただの田舎ではなくて、住みよい田舎、住む人の満足度に繋がる気がします。
白石さん
本当にそうですよね。垢ぬける必要なんてない、という人たちもいると思うんですが、逆にデザインのないものなんてない、のでどうせやるなら一本筋を見せるだけで全然違ってくると思うんです。
湯本みらい
佐賀には知事直轄のデザインの部署があるそうです。
白石さん
すごい。公で見てもらうものに一定のレベルを設ける、そうやってイメージを作っていくことはとてもいいことだと思うし、これからやっていきたいことですね。地域のみなさんがこれまで大切にされてきた活動も、今後デザインのお手伝いなどを通して、より盛り上げていけたらと思っています。

白石さんのお気に入り。旧恩湯の解体を契機に作成した写真集「THANKS ONTO」。撮影は長門市在住の写真家 安森信氏。

地域の方向けの「みらいニュース」や住民説明会用のチラシなど、地元の人たちとの情報共有にも力を入れているとの事。

湯本みらい
白石さんもすっかり前のめりで関わっている長門湯本ですが、今、どんな魅力を感じていますか?
白石さん
地域の皆さんが、新しいアイディアや試みを、できるだけ取り入れていこう、協力しよう、と思ってくださっていること。それがやっぱり長門湯本の可能性を広げている一番の大きな要素だと思うし、まちの魅力だと思います。
湯本みらい
人の魅力がまちの魅力、なんですね。
白石さん
そうです、それが僕を突き動かしています。それからもちろん、音信川の美しさ。川と橋。大寧寺や三ノ瀬の歴史性。本当に趣があるいいまちだと思います。
湯本みらい
最後に、地域の皆さんに伝えたいことはありますか?
白石さん
これから2年間くらいで色々な新しい動きが、目に見える形で出てくると思います。だけどそれはいきなり始まったものではなくて、それまでに大変な努力があったり、過程があります。地域説明会やウェブでの報告などで、過程の段階からできる限り皆さんと共有していきたいと思っているので、ぜひそういうところにアクセスして、今何が起こっているのかっていうのを積極的に知ってほしいです。

不定期開催のイベント「ながトーク」での一コマ。自分のスタイルで街を面白くする人たちの話を聞くイベントも開催されています。

湯本みらい
多くの人に関心を持ってほしいですね。
白石さん
そうなんです。まだ現段階では施設もないので、なかなか多くの人の関心を集めるのが難しい。これからあたらしい恩湯(公衆浴場)ができて、星野リゾートの「界」が進出して、と形になっていくんですが、新しい挑戦とともに、古き良きものを守っていこう、と積み重ねている議論があることをぜひ知ってほしいです。
湯本みらい
 9月15日からの3連休には第2回目の「おとずれリバーフェスタ2018」が開催され、大変な盛況でしたね!
白石さん
去年の倍近い出店者の方や地元の方々にご協力いただき、とても素敵な空間を作ることができました。橋の上や川沿い、道沿いに設けた色々なアクティビティを通じて、未来の温泉街を体感していただけたのではと思います。その模様も、このホームページでじっくりとレポートしていますので、是非ご覧いただければ嬉しいです!

白石慎一さん

(株式会社ファンタス)

profile

2000年からロンドンや東京を拠点にイラストレーター シンボロンとして活動を開始。影絵調のしたファンタジックな女性のシルエットイラストが特徴で、VOGUE JAPANなどのファッション誌や広告キービジュアルなどを手がける。

2013年 長門市にUターンし、株式会社ファンタスを設立。ECサイトの構築やパッケージデザインなどを幅広く扱う。

2017年度より長門湯本プロジェクトのデザイン会議メンバー。

symbolon http://www.symbolon.com
fantas-inc http://www.fantas-inc.com

※長門市の公式ホームページに移動します。